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詩とトパーズ

トパーズという、薄い黄色の透明な宝石を一躍有名にしたのは、おそらく彫刻家で詩人でもあった高村光太郎だったといえます。トパーズは、死の床に伏した妻にささげた詩集『智恵子抄』のなかに、清冽な印象をもって登場します。

そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした

(「レモン哀歌」部分)

トパアズ色とは、どんな色かはわからなくても「香気」があり、レモンの果汁のような透明感のあるものという印象は得ることができます。トパーズの宝石言葉である「希望」と重ね合わせると、この詩はいっそう切実に感じられますね。さて高村光太郎から70年後、歌手の「さだまさし」さんは、

梅雨のあとさきのトパーズ色の風は
遠ざかる 君のあとをかけぬける

(「つゆのあとさき」部分)

歌詞は、教え子の卒業を「つゆのあとさき」の頃に回想する内容になっていますが、「トパーズ色の風」とは、なんと透明感のある表現でしょうか。トパーズは詩人たちに愛される資質を持っているようですね。

ところで、ニューヨークの自然史博物館所蔵で、世界一美しいといわれるトパーズは、水色で463カラットもあるそうです。しかもこれが日本の岐阜産のものというのですから、トパーズと日本これはなかなか縁が深そう。

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