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エメラルドの産地と特徴 -その2-

2. 北米

カナダ・アメリカ

商業的価値がない。

3. ヨーロッパ

オーストリア

ハバヘタール渓谷の鉱山は1797年に最初の記録がありますが、その存在はたぶんローマ時代から知られていたと言われています。4個の横坑を持つ現在の鉱山は1860年にウィーンの宝石職人サミュエル ゴールドシュミットによって始められました。鉱山はその後所有者がたびたび代わり断続的に採掘されていましたが、1949年にはほぼ廃坑となりました。
産出されたエメラルドは、一般に低い品質で、カットに適した結晶は殆んど希であったようです。

4. アフリカ

エジプト

◆最も古い鉱山で歴史的価値はあるが、現在商業的価値はない

◆スーダンとの国境付近で数千年前に採掘されていた

ザンビア(コンゴとの国境)

◆鉱山:最大の鉱山はKagem Mining Limited

◆採掘:60年代 最も重要な産出国の一つであった。以前は露天掘りであったが、現在は地下を掘っている。

◆母岩:黒雲母片岩

◆内包物:角型二相、イルメナイト

写真1・角型二相内包物

角型二相内包物

写真2・イルメナイト内包物

赤褐色のイルメナイト内包物


ジンバブエ(サンダワナ エメラルド)
写真3・トレモライト内包物

密集した分布を見せるトレモライト内包物

◆品質:濃いめの深い緑色で高品質

◆母岩:輝石を多く含んだ片岩(典型的な雲母片岩ではない)

◆内包物:トレモライト、カミングトナイト

マダガスカル
写真4・マダガスカル産エメラルド

マダガスカル産
エメラルド

◆母岩:輝石を含んだ典型的な雲母片岩

◆産出量:非常に少ない

◆内包物:アクチノーライト、雲母、トルマリン

ナイジェリア
写真5・ナイジェリア産エメラルド原石

ナイジェリア産
エメラルド原石

写真6・三相内包物

チューブ状の三相内包物

◆母岩:アルカリ加工岩中のグライゼン(英雲母)群集

◆内包物:蛍石、雲母、モナズ石、曹長石、イルメナイト、グロースストラクチャー、コロンビアに似た3相内包物

◆吸収スペクトル:鉄関連の吸収バンドはクロム/バナジューム関連の吸収バンドよりも強い。

◆屈折率:低め(通常光1.566~1.574、異常光1.560~1.569)

◆商業的価値がある。

タンザニア

1969年にアルシャの南西約96kmにあるマジモト村近くでエメラルドが発見されており、かつては素晴らしい草緑色のエメラルドを産出していたようです。最近では、低品質のものがマンゴーラで発見されており、現在の産出量は不明。

南アフリカ

1927年にトランスバールの北東部にあるグラベロッテ地区からエメラルドが発見されています。
1929年当時、複数の鉱山会社が操業を行っていたらしいが殆どは長続きしなかったようです。最近も宝石質の結晶が産出されているようですが産出量は不明。

5. アジア

ロシア(ウラル)
写真7・ロシア産エメラルド

ロシア産エメラルド

◆鉱山:マリシェボ鉱山

◆採掘:露天掘り

◆母岩:黒雲母片岩

◆内包物:黒雲母、アクチノーライト

◆吸収スペクトル:クロム/バナジウム関連の吸収バンド。鉄の吸収バンドは700~900nm付近に見られる。370と426nmを伴うことがある。

◆屈折率:通常光1.581~1.591、異常光1.575~1.584

◆90%は低品質

写真8・アクチノーライト内包物

節をもった茎状のアクチノーライト内包物

写真9・黒雲母内包物

魚の鱗のような外観の黒雲母内包物


パキスタン(スワット渓谷)

鉱山はペンシャワール近郊に2つあります(グジャキリとミンゴラ)。

写真10・パイライト内包物

金属光沢を放つパイライト内包物

◆品質:サンタ・テレジーニャに似た黒っぽいエメラルド

◆母岩:滑石が豊富な白色の炭酸塩岩

◆内包物:方解石、ドロマイト、パイライト、ルチル、ヘマタイト、クロマイト、フックサイト、クローライト、滑石、角閃石、トルマリン、フェナカイトなど

◆吸収スペクトル:クロムバンド以外にバナジウムと鉄の吸収も見られる

◆屈折率:高い(通常光1.584~1.600、異常光1.578~1.593)

アフガニスタン

エメラルドは、標高5000メートルの険しい山々が連なるアフガニスタンのパンジシール渓谷に存在します。400余りの石脈があり、世界でも最高級のエメラルドを産出しています。パンチシールは約30年前に地元の農民によって偶然発見され、以降政府軍の開発で、現在200以上の鉱山が稼動しています。

写真11・アフガニスタン産エメラルド

アフガニスタン産
エメラルド

◆母岩:白雲母片岩

◆内包物:炭酸塩鉱物、パイライト、石英、非常に顕著に発達した成長線

◆吸収スペクトル:クロムバンドが優勢で鉄に関連するバンドが様々な強度で見られる

◆屈折率:高い(通常光1.585、異常光1.580)

インド

1943年、第二次世界大戦中の戦略物資としてベリリウム鉱および雲母を探索した際にラジャスタンのアラワリ山脈でエメラルドが発見されています。商業的価値は無かったようです。

◆母岩:黒雲母片岩

◆内包物:コンマ状二相内包物、黒雲母

◆吸収スペクトル:クロムバンド以外に鉄の吸収も見られる。

◆屈折率:高い(通常光1.593、異常光1.585)

中国

商業的価値がない。

6. オーストラリア

1890年にニューサウス・ウェールズ州エンマビルで最初の発見が報告されています。その後、幾つかの鉱床が発見されていますが、商業的価値は無かったようです。


(終わり)

【GYOHO 質屋業報 2006年10月号 より転載】

平成18年宝石学会「コパルの加熱実験レポート」

コパルはこはくに比べて若い樹脂です。重合があまり進んでいないのでこはくに比べて比較的やわらかく、熱やアルコールなどに対する耐久性も低いといえます。しかし、コパルは昆虫など多くの包有物があるケースが多く、非常に興味深い宝石であるといえます。
昨年こはくの加熱実験についてレポートしましたが、今回はコパルについての加熱実験を行いました。

実験1

ごま油を使って180度で1分間加熱。ごま油は少し浸る程度に入れました。

実験1

結果

加熱して油に入っていた部分の表面は褐色になり、多くの気泡が出来ました。また中央付近にひび割れが発生しました。

実験2

ごま油を使って180度で5分間加熱。ごま油は完全に浸る程度に入れました。

実験2

結果

全体的に褐色になり、形も変形し、表面は溶けてデコボコになりました。

実験3

ごま油を使って200度で1分間加熱。ごま油は少し浸る程度に入れました。

実験3

結果

加熱した部分が非常に細かい気泡で白濁しています。また加熱していない部分でも少し気泡が発生しています。

実験4

サラダ油を用いて220℃で約1分、サラダ油は三分の一程度ひたるようにしました。

実験4

結果

加熱した部分は褐色になり、表面は溶けて変形し、デコボコになっています。

実験5

サラダ油を用いて220℃で約1分、サラダ油の中に浸るようにして加熱しました。

実験5

結果

全体に褐色になり、表面は溶けてデコボコになっています。

実験6

150℃で4時間、アルミホイルでくるんだ状態で、砂の中で加熱しました。

実験6

結果

外形は溶けてかなり変形し気泡が大変増えて、所々褐色になっている部分がありました。

実験7

200℃で1時間、アルミホイルでくるんだ状態で、砂の中で加熱しました。

実験7

結果

外形はさらに変形し、褐色がより濃くなりました。光沢も増したように見え、中の気泡は弾けてグリッター状になっていました。

以上が今回の実験の結果です。ある程度まで温度が上がると、溶けて変形します。また、加熱をすると気泡が増えグリッターのようになることもあります。加熱が進むと褐色が濃くなっていきます。

(注意)
今回の実験は十分安全な環境において行われております。個体によっては、内部の気泡等が加熱時に破裂し、やけどをおう恐れもありますので、決して真似をしないようお願いいたします。

小売店様向け宝石の知識「アンティークジュエリー2」

アンティ―クジュエリーの言葉の意味は、骨董品装身具で「作られてから最低100年以上経過した骨董的価値があるもの」と考えられている。骨董的価値とは美術的価値のある古いもの。古美術品的装身具を指す。100年以内であっても、その時代を象徴するような芸術的価値があり一流宝飾店や有名な作家が手がけたジュエリーには、1930年代までの作品もアンティ―クジュエリーのなかに入るとされるようだ。

ファッションジュエリーが新しい流行の最先端を行くとすれば、アンティ―クジュエリーはその正反対に位置する古きよき時代の数多くの優れたデザイン加工技術の手作り宝飾作品である。それ相応に多くの古美術品マニアが存在する。アンティ―クジュエリーといえば、どうしてもヨーロッパが中心である。残念ながら日本では宝飾文化は歴史が浅く、ヒスイ、さんご、鼈甲、象牙関連製品など希少である。

ジュエリーは大昔から人類とともにあるからエジプトやギリシャのアンティークジュエリーがあってもおかしくはないが、18世紀以前までに作られたジュエリーは、ほとんどマーケットに現存していない。国宝級、博物館級のジュエリーは、大英博物館やルーブル、エルミタージュ、カイロなど大博物館の展示物でしか見ることができない。一般庶民が手にすることは不可能である。われわれが手にすることが出来る範囲のアンティ―クジュエリーを歴史的に見ると次に大別される。

ジョージアン時代(1800年~1837年王侯貴族の特権階級が身に着けたジュエリーが中心)、ヴィクトリアン時代初期(1837年~1861年ロマンティック志向が色濃いジュエリー、REGARDの頭文字をとった宝石を使ったジュエリーの流行)、ヴィクトリア時代中期(1861年~1887年産業革命で余裕の出来た大衆のジュエリー需要が増大、アルバート公の死去もありジェットのモーニングジュエリーも流行)、ヴィクトリア時代後期(1887年~1901年ダイヤモンド、パール、大きな色石の時代、加工技術が著しく進歩。ジュエリーの大衆化が進む、シェルカメオが本格的に登場)、エドワーディアン時代(1880年~1915年白いプラチナを使い繊細な幾何学模様の上品なデザインが登場)アールヌーボー時代(1890年~1910年日本の文物から影響を強く受けたジャポニズム志向。流れるような曲線、左右非対称の構図、奇抜なデザインが特徴。20世紀美術に大きな影響を与えた。)アールデコ時代(1920年~1940年フランスを中心に起きた芸術運動。多くの幾何学模様を取り入れた男性的な雰囲気の作品が多い。)アメリカン時代(1870年~1920年ティファニー宝石店が開業しアメリカの新興富豪相手に大粒ダイヤモンドなどを使った独自のアメリカンジュエリーが創出される。)

ここでアンティ―クジュエリーに使われた素材について言及してみよう。ゴールド、シルバー(ジュエリーの中心的な素材)、プラチナ(1880年代に入ってから)、ダイヤモンド(旧型のローズカットからブリリアントカットへ、枠の貴金属はシルバー、ゴールドを経てプラチナへ。光り輝きを引き出すオープンセッテイングなど新デザインの開発が進む。)カラーストーン(先ずガーネットがヴィクトリア女王即位した当時に大流行、ロシア産トパーズ、デマントイドなど多くの色石も登場。)天然真珠も多用されている。

次にジュエリーの細工加工表現技術の進展を見てみよう。カメオ(ナポレオン時代に大流行、ギリシャ神話などの古典的モチーフから女性的なデザインのシェルカメオがヴィクトリア時代に登場しはじめる。)エナメル(金属酸化物を含むさまざまな色彩のガラス粉末を金属の表面などに焼き付けたもの。この技法は古代エジプト時代からあるがアンティークジュエリーの重要な技法としてクロワゾネ、プリカジュール、ギロッシェ技法などが有名。)センチメンタル(リング内側に愛のメッセージを彫り込むポージーリング、ジュエリーにルビー、エメラルド、ガーネット、アメシスト、ルビー、ダイヤモンドをはめ込み各宝石の頭文字をとってREGARD(好意)等を表わすメッセージジュエリーの登場)モザイク(モザイク装飾は貴石やガラスなどの小片を一つひとつ丹念に埋め込みジュエリーに創作する。起源は古代文明にあるがアンティ―クジュエリーとしてフローレンスとローマに工房が数多く誕生し、花や名所をモチーフにブローチ、ブレスレット、イヤリングに加工された。)

「楽しいジュエリーセールス」
著者 早川 武俊

ワールドニュース

「あなたのスタッフは説明できますか?」

新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

現状、日本のマーケット状況は厳しい限りですが、さらに今年は世界のマーケットに影響を与えるかもしれない映画が公開されます。それはレオナルド・ディカプリオ主演の「ブラッド・ダイヤモンド(仮題)」(原題「BloodDiamond」(c)2006 Warner Bros. Entertainment Inc. 2007年春公開予定)です。

[BLOOD DIAMOND] 人生を変える石――
それは人々の心を試すため、地球の中心から生まれたとされる幻のダイヤモンド。
誰もの心を狂わせ、それを求める者により争いは絶え間なく繰り返される。
しかし、それに触れた者の手は、真っ赤な血に染まるという……。

blood diamond

(提供:Warner Bros. Entertainment Inc.)

「1990年代、内戦のなかで混乱を極めるシエラレオネ共和国。密輸で投獄された傭兵ダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)。ある日彼は。家族から引き離され、ダイヤモンド産地で強制労働させられていた過去を持つソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)と出会う。そして、そこでソロモンがとてつもない価値のあるダイヤの原石を見つけ、ある場所に隠したことを知る。ソロモンは家族を救うため、ダニーは完全に投げていた人生をやり直すため、“人生を変える石”を求める旅に出るが―。」
 
 

上記ストーリーを読む限りでは、ディカプリオが求める石、それこそが唯一無二の“ブラッド・ダイヤモンド”である、というイメージですが…。
しかし映画が公開され、それを見た人々の中には「日本で流通しているダイヤモンドの中にも血塗られた紛争ダイヤモンド(ブラッド・ダイヤモンド)が紛れているのではないか?」という宝飾業界において喜ばしくないイメージを抱いてしまう方がいるかもしれないという懸念もあるのです。
例えば販売の現場で「こちらで販売されているダイヤモンドは紛争と関係のないものですか?」あるいは「このダイヤモンドが紛争と関係ないことを証明することができますか?」といったご質問を受けた時、あなたはきちんとした説明できますか?
お客様が納得し、気持ちよくご購入いただくためには、そういった知識も必要だと思うのです。

紛争ダイヤモンドの歴史背景

1990年代の後半、アフリカのいくつかの反乱勢力が、ダイヤモンドなどの非合法的な取引によって、国際的に承認された合法的な政府に対する紛争資金を得ていることが、世界中に知られるようになりました。紛争ダイヤモンドに対する意識が高まると共に、グローバル・ウイットネスなどの非政府組織(NGO)による取り組みもあって、反乱組織によるダイヤモンドの非合法取引が人々の苦しみにつながる結果となっているのではないかという懸念が高まりました。
実は当時でさえ、紛争ダイヤモンド(ブラッド・ダイヤモンド)が占める割合は世界のダイヤモンド取引の4%とごくわずかに過ぎませんでした。しかし、ダイヤモンド業界はこの問題に対して断固とした姿勢で臨む人道的になすべきことへの義務を認識し、紛争ダイヤモンドを排除するべく共に紛争ダイヤモンドの取引を阻止する運動を行うようダイヤモンド業界全体に働きかけました。この取り組みによって、現在世界のダイヤモンド供給の99.8%以上が紛争と関係のない地域から採掘されたものであると保証されています。その行われている取り組みが「キンバリー・プロセス」と「システム・オブ・ワランティ」です。

キンバリー・プロセスとは

2000年、各国政府、国家間のダイヤモンド業界、NGOが共同で、ダイヤモンドが反政府組織の資金として使われることを防ぐイニシアチブを立ち上げました。このイニシアチブがキンバリー・プロセスとして知られるようになり、直ちに国連総会の支持を得ました。
具体的には、ダイヤモンド原石が輸出され国境を越える際には、不正に開封できない容器を使用するよう定められており、さらに、ダイヤモンドが紛争と関係のない地域から採掘されたものであることを政府が認証するキンバリー・プロセス証明書がこれに添えられます。証明書は偽造が不可能で、厳重に管理された独自の通し番号および出荷する内容が説明された情報がキンバリー・プロセス証明書に記載されています。輸出はキンバリー・プロセスの参加国に対してのみ許可されます。証明書の添付されていないダイヤモンド原石を参加国に持ち込むことはできません。
つまり国家間をまたぐ原石の移動に関しては、キンバリー・プロセス証明書が必要ということです。

システム・オブ・ワランティとは

ダイヤモンド業界は、消費者が購入するダイヤモンドの出所を保証するシステム・オブ・ワランティという制度を採用しました。キンバリー・プロセス参加国すべてが支持するこの制度では、研磨済ダイヤモンド宝飾品のすべての段階の売り手は、次の買い手へ、自主規制として以下の宣誓文をインボイスに記載しなければなりません。

(原文)
“The diamonds herein invoiced have been purchased from legitimate sources not involved in funding conflict and in compliance with United Nations resolutions. The seller hereby guarantees that these diamonds are conflict flee, based on personal knowledge end / or written guarantees provided by the supplier of these diamonds.”

(和訳)
「インボイスに記載されたダイヤモンドは、国際連合会議を遵守し紛争への資金提供に関与しない供給源より購入されたものです。ダイヤモンドの販売事業として、当方が自身の認識に基づき、且つまた、供給者の書面による保証により、これらのダイヤモンドが紛争に関係のないことを保証します。」

それ以外の施策

ダイヤモンド・デベロプメント・イニシアチブというものが、キンバリー・プロセスが重要な制度であると同時に、さらなる課題への取り組みとして立ち上げられました。キンバリー・プロセスはダイヤモンド原石の輸出入を対象としていますが、ダイヤモンド・デベロプメント・イニシアチブは、アフリカの貧しい国々におけるダイヤモンド原石の採掘の課題に取り組みます。こうした国々では小規模な個人的採掘(ふるいや鍋などの初歩的な道具を使って個人、家族、地域住民が行う非公式な採掘)が多く見られます。
このような採掘は、南アフリカ、ボツワナ、ナミビアなどにある厳重に管理され、規制された鉱山での採鉱とは異なり、地下の深いところから表面近くに運ばれ流れ着いたダイヤモンドが川底にあり、これらのダイヤモンドは素手や簡単な道具で採掘されます。このように管理されていない漂砂鉱宋での小規模な個人的採掘のため、適正な衛生管理、環境維持、労働条件が確保されにくい状況となりえます。
ダイヤモンド・デベロプメント・イニシアチブへの取り組みは、各国政府、非政府組織、援助資金提供者、業界、開発機関を取り込んで相互に人的資源、経験、知識を共有する多面的な連携を築き、課題に対応するために様々なプロジェクトが連携して立ち上げられています。
この連携によって真の変革が期待できます。漂砂鉱宋での小規模な個人的採掘を正式な事業体とすることで、採掘されたダイヤモンドが正当に取引される市場を確立することができます。このステップを踏み、小規模な個人的採掘に従事するコミュニティーや政府、さらにダイヤモンド業界全体に大きな貢献をもたらすことを目指しています。

ダイヤモンドの世界への貢献

世界のダイヤモンド産業は、開発途上国を中心に1.000万人を直接または間接的に雇用しています。他の資源と同様に、ダイヤモンドもアフリカ諸国やその他多くの国々の経済発展に不可欠です。
世界のダイヤモンドのほとんどは、開発を助け、継続的な雇用を創出する役割を果たしています。政府による統治と法律の遵守によって、ダイヤモンドはインフラの建設や基本的社会サービスの構築に欠かせない歳入源となるのです。
キンバリー・プロセスにおいて、企業が合意した目的は、生産国であれ、研磨に関わる国であれ、消費国であれ、ダイヤモンドに関わるすべての国の利益を保護することです。現在、世界のダイヤモンドの99.8%以上が紛争の関係のない地域から採掘されたものであると保証されています。

まとめ

上記の通り、現在日本に輸入されているダイヤモンドは、キンバリー・プロセス、そして、システム・オブ・ワランティの遵守という2つの施策により、ほぼ全てのものが紛争ダイヤモンドとは無関係であると言えると思います。また、ダイヤモンドが発展途上国を中心に世界の経済に貢献しているという事実も忘れてはならないことなのです。そして重要となるのは、お客様と直接接する販売員の方々が十分な知識を持ち、自信を持ってお客様にご説明出来るかということだと思います。

もっと詳しく知りたいという方は、下記サイトをご覧下さい。ここには紛争ダイヤモンド取引を撲滅すべく、業界が行っている様々な取り組みについての情報が記載されています。
http://www.diamondfacts.jp/

この映画「ブラッド・ダイヤモンド(仮題)」(原題「BloodDiamond」(c)2006 Warner Bros. Entertainment Inc. 2007年春公開予定)をきっかけに「紛争ダイヤモンド(ブラッド・ダイヤモンド)」に関する知識を深め、お客様が納得できる説明をすることにより、今以上の信頼を勝ち得ることが出来ると思います。
またこの件で何か疑問やご質問等ございましたら、弊社までメール(sales@ibctokyo.com)にてご連絡ください。質問の多かった事項に関しましては次号のGEMMYにてご紹介いたします。
もちろん当社すべての取り扱い商品に関しましては上記2点を遵守し、お客様にご満足いただけるような商品を求めて、買い付けしていると自負しております。


アイスブルーダイヤモンド企画・開発プロデューサーが、お客様に本当にあった商品企画をご提案するために設立したダイヤモンド専門会社
株式会社IBCTOKYO 担当:木村/湯浅 e-mail: sales@ibctokyo.com
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